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【感想・ネタバレ】「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計入門」(橘玲 著) お金持ちになる方程式はとてもシンプルです。

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橘玲(たちばなあきら)氏が2002年に上梓した「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計入門」を紹介したいと思います。

どんな本なの?

この本は、 できるだけ近道して経済的な独立(Financial Independence)を獲得したい人に向けて書かれています。

「経済的独立」とは、誰にも依存せずに人生を自由に設計するだけの十分な資産を持つことをいいます。

最短でこれを達成するには、いま我々を取り巻いている社会に潜む政治や経済などの制度の「歪み」を利用することです。

本のタイトルにある「黄金の羽根」とは、その制度の歪みから生じる恩恵のことです。

この本は、他人よりも早く「黄金の羽根」を見つけるために必要な「知識」を教えてくれます。

本の構成は、

前半は、人生設計の基礎知識、
後半は、国家との付き合い方、国家間の制度上のゆがみ、
最後に、PT(Perpetual Traveler=永遠の旅行者)(国家に拘束されない生き方)、

となっています。

全体を通して、資産運用、不動産、生命保険、社会保険、税金、法人、ファイナンス、海外投資、国家に拘束されない生き方、などの現状や著者の考えを知ることができます。

こんな人におススメ

・お金のために会社の奴隷として働く生活から抜け出したいと思っている方。
・お金の心配せずに人生を送りたい人
・経済的な依存(=誰かの奴隷)から解放されたい人

サラリーマンでこのように思っている人であれば必読かも知れません。

私がこの本を手にしたきっかけ

私の場合、リーマンショック後の不況で、勤めていた会社は業績が傾きリストラを敢行しました。私もリストラの対象となり、何回も退職するよう面接を強要されましたが、結局、何の準備もしていなかった私は居残ることを選択しました。(日本の会社だったので、即クビにならなかったことは幸いですが。)

そんな時期、私は、雇用不安が付きまとうサラリーマンをいつかは卒業し、お金の不安がない生活をしたいと思うようになりました。そして参考になりそうな書籍をいろいろ探しました。この本はそのとき偶然本屋さんで見つけ、手に取ったものです。

金持ちの方程式とは?

本書の冒頭に「金持ちの方程式」というのがでてきます。

資産形成 = (収入 -支出) + (資産×運用利回り)

これがその方程式です。

これはお金持ちになる方法をギュッと凝縮して一行で表したものです。
この式は次のような意味を表しています。

金持ちになるには、資産を形成する必要があり、そのためにすることは次の3つしかないということです。

① 収入を増やす。
② 支出を減らす。
③ 運用利回りを上げる。

ものすごくシンプルですね。

お金持ちになるための答えはすべてこの「方程式」の中に詰まっています。

資産形成 = (収入 -支出) + (資産×運用利回り)

右辺の第1項、(収入-支出)は、資産収入以外の給料から、生活費・社会保障費などの支出を引いた額を表します。プラスならキャッシュの増加(純利益)、マイナスならキャッシュの減少を表します。
右辺の第2項、(資産×運用利回り)は、資産の運用益を表します。

サラリーマンが経済的な独立を得るためにはどうすればよいか?

それは、まず資産を買うための元手づくりから始めることです。

サラリーマンは最初は運用の基礎となる「資産」というものがありませんから、まずは方程式の右側の第1項の示す、キャッシュの積み上げに注力することが最優先です。つまり給与収入を増やし、支出を減らし、純利益を積み上げることで、資産を買うための元手を確保するのです。当たり前のことですが、この取り組みが重要なのです。

まず収入を増やすことですが、本書では、年収をあげるためには、会社で出世するか、キャリアアップし給料の高い企業に転職することを勧めています。でもこれは誰にでもできるわけではないとことを著者も認めています。

まあ、この本に興味をもったひとは、できれば出世や転職したくない人が大部分でしょうからね・・・私を含め・・・

一方、支出を減らす効果的な方法は、家計をリストラし質素な生活をすることだそうです。
家計のリストラとは、不要な経費を大胆にカットすることだといっています。著者は、家計の多くを占める「住宅コスト」や「生命保険」の見直しを提言しています。「金持ちはケチだ」ではなく「ケチだから金持ちになれた」という言葉も真実かもしれません。少なくとも元金が十分貯まるまでは質素な生活を心がけましょう。

あと、これは第2項の資産形成の範疇かもしれませんが、投資のコスト(主に売買や運用を任せるために支払う手数料)にも注意を払うことが大事だそうです。

そしてもう一つ、お金持ちになるために忘れてならないことは、「税金をなるべく払わない」ことです。

その手っ取り早い方法は「自営業者」になることだといっています。サラリーマンと自営業では、控除できる経費の額が違うからです。圧倒的に自営業の方が節税できるそうです。

この違いに気づいた人は、とっととサラリーマンを辞めて自営業者になるか、自分でビジネスを始めてしまうそうです。うまくいくと、税のかからない彼らは急速に金持ちになるというのです。

サラリーマンのみなさん、この発想どう思いますか?

資産運用のはなし

ある程度の元手がたまったら、次は第2項の(資産×運用利回り)を増やすための実践となります。この本には、 資産運用として、株式投資、不動産投資、生命保険などの投資の考え方や方法が書いてあります。

ここでも巷でよく見る「持ち家」v.s.「賃貸」についての話が出てきました。
著者によれば、持ち家の購入は不動産投資そのもなので、投資目線での選択が重要であるといっています。

作者が導いたその答えとは?・・・
それは本書を実際に読んで確かめてみてください。

国家の制度上の歪みとは?

年金や健康保険などの社会保険制度や税制には歪みがあるとのことです。何もしないでいると、徴収される額は多くなるが、逆に受取る額は少なくなってしまいます。著者は、日本の制度の現状、そしてこれに対する問題提起をしています。

どうやって黄金の羽根のを拾うのか?

本書の目的は、黄金の羽根を拾い(制度の歪みを利用して恩恵を受け)、近道して経済的な独立するためにどうしたらいいか、その知識を教えることでした。

後半は、その具体的な答え、つまり国の歪んだ制度の中でお金持ちになるためにどうしたらいいかが書かれています。その答えのキーワードは、「法人」「ファイナンス」「節税」「海外投資」「PT (Perpetual Traveler = 永遠の旅行者;国家に拘束されない生き方)」です。本書にはその実践的な内容が書かれています。

このあたりは 「黄金の羽根の拾い方」の肝となる内容です。みなさんも実際に読んで実践し、経済的な独立(Financial Independence)を目指してみてはいかがでしょうか?

早くサラリーマンを卒業できる日を夢見て・・・

おわりに

法人やPTの話になると、私もなんとなく理解はできたのですが、まだ実際に行動に移すまでには至っていません。いまのところ個人で不動産や株式投資によって資産形成し、延長線上にサラリーマン卒業を夢見ています。ただ目下の悩みは、資産形成の速度が遅いことでしょうか。

あと、小さい話ですが、この本には「ワンルームマンションほどバカな投資はない」なんてコラムがあります。私は当時既にワンルームマンション投資を実践していたので、コラムが気になってよく読んでみました。著者は、表面利回り6%程度の「新築」のワンルームマンション投資や空室のリスクを警告しているようです。

ちなみに、著者は、同じ不動産投資をするなら、「REIT」(上場不動産投信)に投資することを進めていました。私もリーマンショック後に、日本の「REIT」をたくさん買っています。

まあ、こんなレベルの話で右往左往している自分の考えの狭さが、なんだか情けなく思えてきます。とにかくこれからもPDCAを回しながら、自分なりにコツコツと黄金の羽根を集め、早くサラリーマンを卒業したいと思います。

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お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門

目次

Introduction 人生は一度しかない。だから近道を行こう!
PART 1 人生を設計するための知識
PART 2 人生の大きな買い物
PART 3 惜しみなく奪われる人々
PART 4 黄金の羽根の拾い方
PART 5 税金について知りたい本当のこと
PART 6 もうひとつの人生
Epilogue 新宿中央公園のホームレス

著者 橘玲
発売 2002年11月26日発売
発行 幻冬舎
ページ数 264ページ
価格 1,600円+税

※2014年9月26日に、改訂版「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ」というのが同じ幻冬舎より出版されました。

 

 

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