ダイエットを始めたきっかけ
2019年の夏、私は心筋梗塞で倒れました。
手術で血栓を除去しステントを埋め込んで何とか一命をとりとめました。当時の私の体重は85㎏、BMIは29でした。それだけでなく、血圧、コレステロール、血糖値が高めでした。主治医からは、このままだと半年後に再発する確率は高いと脅され、体重65㎏(BMI22)を目標に減量するよう強く勧められました。私も「サラリーマン早期卒業」というやり残したテーマもあるし、せっかく積み上げてきた資産も手つかずだし、それとハードディスクの中身を消去していない・・・などいろいろやり残したことがあるので、まだあっちには逝きたくないという気持ちが強く。主治医の言いつけに従い、素直に減量にチャレンジすることにしました。
半年間で20㎏のダイエット(85㎏→65㎏、BMI 29→22)に成功
退院前に受けた、栄養士さんと理学療法士さんの指導を参考に、自分で試行錯誤しながらやり方を工夫し、ゲーム感覚で毎日楽しみながらダイエットに取り組むことができました。その結果、半年間で20㎏のダイエット(85㎏→65㎏、BMI 29→22)に成功しました。リバウンドも全くありませんでした。このダイエットの記録は、ブログ「半年で体重が20kg減!ゲーム感覚で無理なく楽しく痩せるダイエットの秘訣を公開します。」に書いていますので、興味のある方は、読んでみてください。
65㎏の体重をキープし続けた1年間の振り返りとそこで気づいた「体重キープの極意」
今回は主に、目標体重の65㎏達成後、キープを続けた1年間の振り返りと、そこから得た気づきとして「体重キープの極意」について書こうかと思います。
まず、私が1年間体重キープのためにやってきたことは、「毎日、体重と食事の摂取エネルギー(カロリー)を記録し、体重の変化に応じて、摂取量を調整する。」
これだけです。
いってしまえば、減量や体重キープの方法は、これだけを守れば十分だとおもいます。これが1年間かかって辿り着いた、私の答えです。
特に、食事については、糖質制限とか、たんぱく質がどうかとか巷にはいろいろなダイエット情報があふれていますが・・・、「栄養バランスとカロリーさえ守れば食事は何を食べてもかまわない」と思っています。
どうやってその考えや答えに至ったか、そして体重をキープの極意とは何か、それをグラフ3枚で説明します。
ダイエット開始から1年半の体重と摂取カロリーの推移
下の図1のグラフは、2019年6月のダイエット開始から一年半後の今日に至るまでの私の体重と1日の食事の摂取エネルギー(カロリー)の推移を示したものです。どちらも7日間の移動平均で表しています。
※7日間の移動平均:7日間ごとの平均値を日をずらしながら求めたもの。グラフは長期的な傾向を表す。
まず、減量期間中のことについて簡単に触れておきます。グラフを見ると、ダイエット開始から約半年間(0~170日)は、ほぼ一様な割合で直線的に体重が減っています。栄養士さんから推奨された食事量一日1600kcal程度をきっちり守っていた期間です。また、理学療法士さんに勧められた1日30分~1時間のウォーキングも行っていました。この間、体重は平均して一日あたり110~120gペースで減っていました。リバウンドもまったくありませんでした。
減量期間中は、体重をほぼ毎朝測定し、食事のカロリーも毎食記録し、体重の変化に合わせて食事量を調整しました。(実際カロリーの記録を思いついて実行し始めたのはダイエット開始後50日目でした。)
食事は栄養バランスとカロリー量を気を付ける以外、種類はあまり気にしていません。もちろん、栄養バランスが取れてカロリーの把握が容易な宅配の冷凍食品を調整用に活用しましたが、それ以外にも、スーパーの総菜も食べましたし、ファミレスでの食事もしていました。
(とりあえず、カロリー計算の目安には、たんぱく質・炭水化物が1gあたり4kcal、脂質が9kcalという目安は頭に凍てておきましたが。。。)
半年後、体重が目標の65㎏(BMI22)になったところでキープを開始しました。
目標体重は64㎏±1㎏に設定しました。グラフの通り、それ以降今日までの約12か月間(170日~540日)、体重は目標範囲内に収まっています。
この間、減量期間中と同様、体重は毎朝測定し、食事のカロリーも毎食記録し、体重の変化に合わせて食事量を調整しました。
体重キープ期間(170日~540日)の体重と摂取カロリーの推移
次に体重キープ期間(170日~540日)の部分だけを抜き取り拡大したグラフ(図2)をみながら、体重とカロリーの動きについて振り返ってみます。
キープ開始直後にカロリーが徐々に増えていますが、これは摂取カロリーがダイエット中と同じ1600kcalのままだと体重がどんどん減っていってしまったからです。そのため体重が減らなくなるところまで、徐々にカロリーを増やしました。体重は、2400kcalあたりで安定しました。
320日後あたり(4月ごろ)から、今度は2400kcalのままだと、どんどん体重が増えていってしまうということが起こりました。当時ウオーキングを続けていましたが、この体重減少の前後で運動量はほとんど変わっていませんでした。少し運動を増やしてみましたが、それでも体重の増加は止まりませんでした。
そこで、食事のカロリーを落としてみました。すると200kcal減らした2200kcalあたりで体重の増加が止まりました。最初、自分でもこの現象を不思議に思ったのですが、考えてみたところ、もしかしたら、冬から夏にかけての気温の上昇で基礎代謝が下がったのではと考えました。独自に計算してみたところ、体温キープに必要なエネルギー量を考えると、気温の変化で200kcalほど基礎代謝が変わることはそれほど不思議ではない結果になりました。このあたりの詳細は以前のブログ「ダイエットで20kg減量に成功してから半年が経過、リバウンドしないために私が続けた5つの習慣」にちょこっと書きました。
その後、夏本場になると夏バテで食事量が減り体重も減少しました。食欲の秋に入ると今度は体重が増加気味になりました。とおもったら9月後半には思いがけない体の不調が起き、運動もできず極度の食欲不振がおこり体重は減少しました。病院で処方した薬でなんとか体調が安定し食欲も回復してきたところで現在に至っています。こういった出来事も、体重と摂取カロリーの推移のグラフをみるとよくわかります。
キープ期間の体重とカロリーの推移をよーく比較することでみえてきたこと
体重と摂取カロリーの推移のグラフをよく見ると次のことがわかります。
摂取エネルギーと体重の時間的な動きは、同じような形をしています。
ちょっと違うのは、下図3のグラフのように、エネルギー摂取量の変化に対して、体重の動きが少し遅れて変化してくることです。専門用語でいえば位相が遅れているとでも表現できるのでしょうか。これはよく考えれば至極当然のことですね。
ズレの理由を簡単に説明すると次のようになります。
翌朝の体重というのは、今朝の体重に体重の増減を加えたものです。体重の増減は、一日の摂取カロリーから一日の消費量を引いたものに比例します。そのため、摂取カロリーを減らしていても、それが一日の消費量を上回っていれば、体重は増加し続けます。例えば、今朝の体重が64㎏の人が、その日の食事を2400kcal摂取して、その日の消費量が2000kcalだったとすると、その差の400kcal分だけ体重が増加します。1gあたり5kcalとすると、体重増加分は80gです。そこで、翌日少し食事量を減らして2200kcalとったとします、消費量が変わらなければ、200kcal分(40g)体重が増えてしまいます。
また、これとは逆に食事量を増やしても、消費量を超えなければ体重は減り続けてしまいます。
これが「体重と摂取カロリーは同じように動くが、体重の変化が遅れて変化する」の理由です。
まとめると、次のような式になると思います。
・体重[翌朝] = 体重[今朝] + 体重の増減[翌朝まで]
・体重の増減[翌朝まで]
= 一日の摂取量(カロリー→重量換算) - 一日の消費量(排泄)
数式で書くと次のような感じですかね?
Bn+1=Bn+EMn-CMn
Bn+1:n+1日目の朝の体重[g]
Bn:n日目の朝の体重[g]
EMn:n日目に摂取した食事量(重量換算)[g]
CMn:n日目に消費したエネルギー(重量換算)[g]
ということで長々と書いてしまいましたが、ここまで読んだら皆さん気づいたと思いますが、1年半記録し続けた、体重と摂取カロリーのデータからわかった、
体重キープの極意は、
『摂取カロリー』と『消費カロリー』を同じにすること。
シンプルですね。
体重キープの3ステップのサイクルを回す
とにかく、体重キープしたい人は、
まず第一に、自分の摂取した食事のエネルギー(カロリー)と自分の体重を定期的に記録(できれば最初は毎日記録)することです。
そして第2に、体重の動きと摂取エネルギーの動きの関係を把握することです。そして、
第3に、目標体重範囲に収まるように、食事量と消費(運動など)のバランスをとるよう管理を徹底することです。
データに基づいて科学的に管理することは何事においても重要ですよ。
そして、諺に「入るを量りて出ずるを為す(制す)」(収入の額を計算し、それに応じた支出を行う)というのがありますが、この3ステップの体重キープは「出ずるを量りて、入るを為す(制す)」(体重の増減に応じて、摂取カロリーを調整する)といったところでしょうか。
体重キープがうまくいっていない方は、是非この3ステップにチャレンジしてみてはい方でしょうか。
必ずキープできるようになるはずです。
減量するにも体重キープするにも、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを管理することが王道であり近道だと思います。この考え方は、ダイエットだけでなく、この世の基本原理だとおもいますので。。。
是非参考にしてみてください。