インプットとアウトプットを見える化したダイエットの記録です。
食事は1日の摂取カロリーに気をつける以外は、特にキツイ制限は設けません。
この方法はゲーム感覚で楽しみながら取り組むことができるので、超オススメです。
芸術的なカーブを描く体重減少曲線にきっと感動すると思います。
ダイエットに興味ある方はぜひ読んでみてください。
ダイエットを始めたきっかけ
私、2019年5月末に急性心筋梗塞を患いカテーテル治療をしました。
一命は取り留めましたが、まだ心臓の血管には何箇所か狭いところが残っていて、治療したところも再発が心配です。
手術後は、再発しないよう、リスク低減に力を入れることにしました。
急性心筋梗塞は、心臓を取り巻く血管(冠動脈)が詰まって、心筋に血液を送ることができず、心筋細胞が壊死を起こす病気です。動脈硬化が進み血管内が狭くなったところに、さらに血栓(血液の固まり)ができて閉塞し、血流が途絶えることで起こります。
心筋梗塞を発生させる危険因子には、次のものが知られています。
危険因子
・高血圧 ・・・ 上140以上、下90以上 [mmHg]
・高脂血症 ・・・ LDL140以上、HDL40以下[mg/dl]
・喫煙
・肥満 ・・・ BMI25以上
・糖尿病
・ストレス
入院中からリハビリで管理栄養士・理学療法士・医師の皆さんに食事や運動の指導をしてもらっていますが、そこでずっといわれてきたのが、
「もっと体重を減らしましょう」
ということでした。
みなさんもおわかりの通り、危険因子の「肥満」を解消することです 。
入院時、体重85kg( BMIが29 )あった私は、
「体重を減らすか?」
「病気再発の高いリスクにさらされ続けるか?」
選択を迫られました。
体重を減らすために、食欲を抑えるのは辛い、
心の葛藤がありましたが、
でも、あの痛みと不安は二度と味わいたくないという思いが強く、
「よし、体重を減らそう」
自然と心に決意が芽生えました。
ダイエットの方法
基本的には、食事制限と運動をメインに行なったのですが、
私も技術屋の端くれなので、ただ闇雲に行なうのでなく、
「インプット」と「アウトプット」を「見える化」し、
データを「フィードバック」して「科学的に管理」することで、
肥満を解消していく過程を「定量的に捉えて」みよう
と思い、楽しみながらチャレンジすることにしました。
(どういうことかは、後半で説明します)
半年間でマイナス20kg 減量
結果としては、
「半年間でマイナス20kg」の減量に成功しました。
減量による苦痛やストレスはほとんどなく、
むしろゲーム感覚で楽しみながら体重を減らすことができました。
これは自分でも驚きの感覚でした。
そして、筋肉量はあまり変わらず、脂肪がたくさん減り、
体重は、停滞期も無く、ほぼ一定の割合で綺麗な線を描いて減少していきました・・・
もう感動ものです。
体重減少カーブを見せちゃいます
これがそうです。
どうですか?
じゃあ、具体的にどのようにダイエットしたのか教えてよ!
そんな方のために、以下に、ダイエットの具体的な方法や取り組みの記録をまとめてみました。
興味あるかたは 読んでみてください。
インプットとアウトプットを見える化したダイエットの記録
(1)背景と目的
2019年5月末に急性心筋梗塞を患い入院治療した。
目的は、心筋梗塞の再発防止のための危険因子「肥満」の解消
(2)現状(ダイエット前)
病気で倒れる前は、体重が85kg、BMIが29ありました。
みるからに肥満体型でした。
↓こんなかんじ
(3)目標
半年後の体重を65kg(マイナス20kg減量)に設定しました。
65kgは、いわゆる適正体重[1]です。BMIは22が目標です。
期間は2019年6月初めから11月末までの約6ヶ月間です。
[1] 適正体重(標準体重) : BMIが22が統計的に最も病気になりにくい体重 [日本肥満学会]
(4)方法
ポイントは次ぎの3つです。
①食事:1600kcal/day
②運動:8000歩/day(脈拍90回/分をキープ+ 簡単な筋トレ)
③記録をつけフィードバックする。(インプットとアウトプットの見える化)
基本はこれだけです。
ポイントを解説します
①食事:1600kcal/day
まず食事についてです。
1日の総摂取エネルギー量1600kcal/dayを目安にしました。これは管理栄養士さんのおススメです。 入院食と同程度のカロリーだといってました。ダイエット開始時の私の基礎代謝(推定)が1800kcal/day弱なので、それよりもちょっと少ない量です。1食平均530kcal(×3食)ってところでしょうか。
私は倒れる前は、一日3000kcal近く食べていたので、この目標を立てたときは、正直いってダイエットに耐えられるのか不安がありました。でも病院の食事が自分にはかなりあっていたいたので、もしかしたらやれるかもしれない。そんな気がしていました。
ただ、カロリー制限はあっても、それ以外には、 野菜やたんぱく質 を十分取るという程度で、ダイエットという観点では余りキツイ制限は設けませんでした。(高血圧予防の点から、塩分の制限はありましたが、それ以外は何を食べても良かったです。アルコールもOK)。
このことは救いでした。
それともう一つ重要なことがあります。それは食事管理に健康食の宅配サービス(ミールタイム)を活用したことです。
結果的にはミールタイムのサポートがあったおかげで、面倒なカロリー管理が簡単になりダイエットが継続できた思っています。
宅配食のことや心筋梗塞になったときの状況などについては下記のリンクに詳細記事を書いたので興味ある方は読んでみてください。
【急性心筋梗塞になった私の提言】メタボな身体を食事管理で改善しょうと思っている人に、健康食の宅配サービスの定期購入をお勧めします
②運動:8000歩/day (脈拍90回/分をキープ+簡単な筋トレ)
次は、運動についてです。
運動は有酸素運動が中心となります。病院のリハビリで「運動処方」というものをだしてもらいました。それによると運動は「週5回から7回、心拍数90回/分を保った30分~1時間程度のウォーキング」が最適となっていました。私はこの処方に従ってウォーキングし、減量を後押しすることにしました。
私の場合、8000歩は距離にすると6kmくらいです。時速5から6km程度で歩くと心拍数が90回/分程度になり、時間にすると1時間程度になるので、この目標設定にしました。
やはり病気をしたので、過度な運動は禁物です。
また夏は熱中症に注意しながら無理のない運動を心がけました。
運動としては、ウォーキング以外にも、毎日、筋トレとして「踵上げ」「スクワット」「横への足上げ」を軽く行ないました。「足は第二の心臓」といわれているように血液を上に押し戻す働きもしているそうです。心肺機能向上のためにも、ウォーキングと合わせて足の筋トレを少しプラスしてみました。
また、ウォーキング前後に「首、肩、肩甲骨」を動かしたり、「アキレス腱や腿のストレッチ」なども行ないました。
③ 記録をつけフィードバックする
これは、毎日、インプット(食事、運動)とアウトプット(体重)の記録をつけ、毎日の食事量や運動量が狙いの値になるよう調整したり、体重の減少の推移をグラフでみることで効果を確認することです。
今考えると、これが一番重要だったように思えます。
モチベーションを維持できたのもこのおかげだったかもしれません。
またこの方法は、サラリーマンが毎日会社でやっている目標管理の手法と重なります。それをダイエットに取り入れて実践したことが、停滞期もほとんどなく目標を達成できたことに大きく貢献したように思えます。
そして、もう一つ重要なのが、病院での定期的なリハビリでした。管理栄養士・理学療法士・医師に記録をチェックしてもらうことです。やはり第三者の目が入ることで、自分の取り組みが間違っていないかも確認できますし、アドバイスを貰うことで修正することも可能です。
そしてなにより「すごいね、その調子」と一言いってもらうだけで、「よし続けよう!」という気持ちが湧いてきます。
もし、専門家がいない場合には、友達や家族とダイエットの目標や記録を共有しアドバイスを貰ったりするだけでも、一人で孤独に取り組むよりモチベーションはアップするはずです。
(5)結果
インプット
①1日あたりの食事の摂取エネルギーの推移
図1は食事で摂取した1日のエネルギー量の推移を表したグラフです。
図1.一日あたりの食事の摂取エネルギー量の推移 毎日摂取カロリーを記録しエクセルでグラフを書きました。
記録をつけ始めたのが手術から50日目だったので、50日から170日後までの記録になります。
青い棒グラフが一日の食事のエネルギー摂取量の実績です。
赤い点線が目標値の1600kcal/dayのラインです。
また紫色の実線が1日の摂取量の一月の平均値のラインです。
緑色の実線が1日の摂取量の全期間の総平均のラインを示しています。
食事管理では、毎日の摂取カロリー(青い棒グラフ)が目標値(赤い点線)になるように食事量を調整することを心がけました。
でもたまには週末は友人と居酒屋でお酒を1杯だけのんで食事なんてこともしてましたから、カロリーを取りすぎる日もあります。(青い棒グラフで上に飛び出ているものがそうです。ちょっと多すぎたかな・・・)
でも、そんなときは、後日、摂取カロリーを抑え気味にします。
このような細かいことは神経質にならず、もう少し大きな目で見て、1日の摂取カロリーの月平均や総平均(緑色の実線)が、狙いの1600kcal/day(赤い点線)になるように調整しました。
結果的には、 1日の摂取カロリー の総平均の実績値(緑の実線)は、目標値1600kcal/day(赤い点線)にほぼ一致していることがわかります。
②1日の歩数の実績推移
つづいて、図2にウォーキングによる1日の歩数の推移を表したグラフです。
毎日歩数を計測記録しエクセルでグラフを書きました。
歩数はスマホのアプリで計測しました。
オレンジ色の棒グラフが一日の歩数の実績です。
赤い点線が目標値の8000歩/dayのラインです。
また紫色の実線が1日の歩数の一月の平均値のラインです。
緑色の実線が1日の歩数の全期間の総平均のラインを示しています。
ウォーキングも食事とおなじで、毎日の歩数(オレンジ色の棒グラフ)が目標値(赤い点線)になるように歩数(歩行距離)を調整することを心がけました。
最初は持久力が落ちていたので余り長い距離は歩けず、また梅雨もあったので歩数は少なめでしたが、7月の後半、退院から50日を過ぎたあたりから、目標の8000歩以上を苦も無く歩けるようになりました。また自宅から会社の道のりが3kmあまりなので、平日はこれを毎日ウォーキングで往復しました。休日は近くの堤防沿いや街中、駅と駅の間を歩いてみたりと、いろいろなルートを適当に考えて設定し、歩きを楽しみました。
雨が降ったり、気温が高かった日には、ほとんど歩くことはありませんでした。 そんなときは、食事のときと同じで、後日、少し距離を長めに歩いたりして調節しました。そして1日の歩数の月平均や総平均(緑の実線)が、狙いの8000歩/day(赤い点線)になるように調整しました。
結果的には、 1日の歩数の総平均の実績値(緑の実線)は、目標値8000歩/day(赤い点線)にほぼ一致していることがわかります。
ウォーキングで注意したことは、空腹で行なわないこと、熱中症に気をつけることでした。
理学療法士から、空腹で歩くと脂肪よりも筋肉がエネルギーに変わりやすいので、たんぱく質かアミノ酸を十分取るようにいわれました。
また、ダイエット期間が真夏をはさんでいたので、熱中症に注意し、体温上昇や脱水が起こらないよう、歩く場所や時刻に気をつけました。
ウォーキングの最中には気づきが豊富にあります。周りの景色をみているだけでも、こんなところにこんな立派な建物があったんだ、こんな花が咲いてるんだとか、そして、いろいろな人間模様も目に入ってきて、飽きませんでした。
週末にウォーキングするのが待ち遠しいくらいでした。
そしていつの間にかウォーキングが習慣になっていました。
このように、食事と運動の過程を見える化して管理した結果、体重がどのように変化していったかをグラフでお見せします。
アウトプット
③体重の変化(実績)
図3.は ダイエット開始からの体重の変化のグラフです。
図3.ダイエット開始からの体重の変化
入院していたことが関係していたかわかりませんが、最初の20日間の減りは大きいです。それ以降は、1日100gのほぼ一定のペースで減少しています。
科学的には当たり前なのかもしれませんが、私には芸術的な減少カーブにみえますwww。
目標を達成してみて、食事と運動を管理すると、ここまで綺麗に体重が減少するんだと自分でもビックリ、そして感動しました。
減ったのは、脂肪?筋肉? どっちなの?
この体重減少が、筋肉が減ったためか?それとも脂肪が減ったためなのか気になるところですが、体重を量っただけではよくわかりません。そこで、病院のちゃんとした体組成計で、ダイエット開始直後と目標達成後で、筋肉量、体脂肪量、体脂肪率を計測してもらいました。
次が、その結果です
ダイエット
開始直後 目標達成後
筋肉量 :56kg → 53kg (▲3kg)
体脂肪量 :21kg → 12kg (▲9kg)
体脂肪率 :26% → 17% (▲9%ポイント)
筋肉も減少していますが、脂肪はその3倍も多く減少していることがわかりました。
いずれにしてもダイエット開始直後は体脂肪量と体脂肪率は「高め」の判定でしたが、目標達成後には全て「標準」の範囲に入りました。
(6)考察
今後体重を維持するのにはどの程度のエネルギーを摂取したらよいかを考えてみます。
まず、体重減少分がどの程度のエネルギーに相当するかをざっくり出してみます。栄養学では、たんぱく質=4kcal/g、脂質=9kcal/g、炭水化物=4kcal/gのエネルギーに相当するとされています。
そこで、筋肉≒たんぱく質、脂肪≒脂質と考え、体組成計の測定結果から、体重減少のうち25%が筋肉、75%が脂肪であると仮定してみます。
すると、体重100g/dayの減少はカロリー換算で
100g/day×(4kcal/g×0.25 +9kcal/g×0.75) ≒ 800kcal/day
となります。
一日の消費量(身体から出て行ったエネルギー)は、 摂取量(1600kcal/day)から体重の変化(-800kcal/day)を引いたものなので、
消費量 = 摂取量(1600kcal/day) - 体重変化(-800kcal/day)
となって、消費量2400kcal/dayとなります。
体重を維持するには、摂取量=消費量ですから。
今の運動を続けている限り、摂取量を2400kcal/dayにすれば体重は維持できることになります。
また、目標達成後の体重でのウォーキング8000歩/dayの消費エネルギーは、だいたい300kcal程度に相当するようなので、ウォーキングをやめたら、2100kcal程度であれば体重を維持できそうです。
ざっくり計算なので、あっているのかよくわかりませんが、
今後は、体重維持をするにあたり、このあたりを考慮して食事量の目標を定めていこうかと思います。
(7)結論
・約半年後に適性体重となった。
・危険因子「肥満」は解消された。
目標達成です。
(8)今後の取り組み(課題)
・体重と体脂肪率の維持
・他の危険因子の排除
体重と体脂肪率の維持するために、食事と運動の目標値を少し変えていこうと思います。
他の危険因子の話です。
最初にいったように、心筋梗塞の危険因子は次のようにまだいくつかあります。
・高血圧 ・・・ 上140以上、下90以上 [mmHg]
・高脂血症 ・・・ LDL140以上、HDL40以下[mg/dl]
・喫煙 (← タバコを吸わないので心配なし)
・肥満 ・・・ BMI25以上 (← 今回取り除かれました)
・糖尿病
・ストレス
・今回のダイエットの結果、高脂血症と糖尿病の指標については、かなり低下したのではないかと思っています。(まだ血液検査をしていないので断言はできませんが・・・)
・血圧は毎日計っているのですが、収縮期も拡張期もボーダーラインを縫うようにジグザグ変化しているので、このあたり注視していきます。
・タバコは吸っていないので「喫煙」については心配いりません。
・ストレスですが、ん~これは・・・
最近会社では、上司や周囲のひとも私が病気をしたことを忘れかけているのか、だんだん仕事の量や無茶振りが増えてきて、
産業医の指示で残業禁止になっているのに、なぜか帰る時間がどんどん遅くなっています。
ストレスも溜まってきています。
このあたり気をつけないといけないかもしれません。
自分の身は自分で守る。
そろそろサラリーマンを卒業すべきか・・・・?
気づき
ダイエットは、
やればできる!
素直な心、管理の見える化が重要!
ただし、一度、死ぬ思いをしないと、始めるのは難しいかも・・・
人間、痛い思いをしないと、
なかなか行動に移せないですからね。
私はそうでした。
そうなる前に行動できる人は尊敬しちゃいます。
サラリーマンを卒業したひとも・・・