人生も折り返し地点を過ぎた。
最近は、この先どう生きたらいいかなどと思うことが幾度となくある。
今日はゴールデンウイークも最終日。
だらだらしているとあっという間に連休が終わってしまう。
そう思いながら本屋をうろうろしていると、
「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」
という本を見つけた。
著者はヘッジファンドのマネージャーでハリウッド映画プロデューサーでもあるビル・パーキンス氏
「DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)」
何それ?
表紙を開くと、イソップ寓話のアリとキリギリスの話
「アリはいつ遊ぶことができるのだろう?」
「キリギリスは飢え死んだが」
「アリは短い人生を奴隷のように働いて過ごし、そのまま死んでいくのだろうか?」
「誰もが『本当の人生』を生きたいのだ」
・・・
などとサラリーマンの私の心をグッと掴むフレーズが続く・・・
でもって、釣られて購入。
読んでみた。
「DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)」とは
「DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)」とは「人生最適化」の課題に対する一つの答え。
「ゼロで死ね」とは、
人生のある時点(45~60歳)で、築いてきた資産を切り崩し始め、健康なうちにやりたいことをやってポジティブな経験をし、それを思い出に変える。
そして最後は何も残さずに死のう。
それが一番幸せな生き方!
ということのようだ。
資産をゼロにしなくても「ゼロで死ぬ」という目標をもって生きるだけでも人生はより豊になるらしい。
資産がどのくらいだったら切り崩しはじめていいのか?
「死ぬまでに必要な最低金額」というのが書かれていた。
それは運用前提に考えた場合、次の式で表わされる。
死ぬまでに必要な最低金額=(一年間の生活費)×(人生の残りの年数)×0.7
(0.7は運用による資産増加分を考慮した調整係数、利息3%を想定)
つまり、
50歳の人が年間300万円で生活し、85歳まで生きるとしたら、必要な最低金額は、300×(85-50)×0.7=7350万円
そう、死ぬまでの35年間を年300万円で生活するなら、50歳の時点で7350万円あればリタイア可能(資産を減らしても問題ない)ということ。
でも、この3つの変数(生活費、残りの年数、調整係数)が未知すぎる。
変数をしっかり見積もることができるのか?
特に残りの年数は怪しい。そんな都合良く死ねるのか?
死ねなかったらどうなる?
「DIE WITH ZERO(ゼロで死ね)」の考えは理想かもしれないが、現実は難しい。
やりたいことを経験や思い出に変えること理想的な生き方だと思うが、
一方で、計画を立てて資産を切り崩して生きていくというのは、
私にとっては不安で心理的な抵抗が大きい。
かといって、「じゃあ安全を見て、あなたならいくらあれば大丈夫?」
と聞かれても、明確には答えられない。
私は凡人だから、資産がどんどん減ってくるのを見ていたら怖くなって、楽しく生きるのは難しそうだ。
著者の考えを実戦できる人は尊敬しちゃいます。
資産を減らさず、経験と思い出を増やす
私なら
「雇われなくてもいいくらい収益資産を築き、その資産を減らさず、やりたいことをやって、経験を思い出に変え、そして死のう」
であれば受け入れられそうだ。
えっ?
そもそもどうやってそんな資産を築くのよって?
それは、投資を頑張ろう!
えっ?
資産をこの世に残して死ぬなんてもったいないって?
残った資産はどうするだって?
そんなの知ったことか・・・って思う。
そこには執着していないし、あまり興味が無い。
お金は収入を得るための道具の一つ。
自分が使わなければ、最終的に誰かが使ってくれるだろう。
誰が使おうが、投資に使おうが、散財してしまおうが、
死んだら関係ない。
なんってね。
数年前に生死の境を彷徨ったときのこと
私は数年前に大病を患い生死の境を彷徨ったことがある。
そのときは「健康」と「時間」の大切さを身にしみて感じた。
そう、死ねば私の「健康」と「時間」はこの世から消えて無くなる。
一方で、お金や資産はこの世に残るが、それは本人にとって意味のないもの。
それも理解できる。
だからといって私が死の淵にいたとき、「資産」を使い切って思い出に変えておけば良かったなどとは思わなかった。(苦しくてそれどころでなかったのもあるが・・・)
だから、後悔するのは死んだ後かもしれない。
ん? それなら問題なさそうだ・・・
誤解ないように言っておくが、
生きているうちに、できるだけ経験や思い出に変えておくことに私は大賛成だ。
それは、病気で死にかけた経験からも強く思う。(決して「ゼロで死のう」とは思わないが)
そこは「健康」「時間」「お金」による心のバランスの問題だと思う。
著者曰く、
人はいずれ死ぬ。
人生で大切なのは思い出を作ること。
今しかできないことにお金を使おう。
ゼロで死のうが、資産を残そうが、
これについては、ごもっともでございます。