今から12年前の夏休み。
地球の裏側、冬のペルーを旅行したときの話です。
旅行中、毎日毎日、観光しながら美味しいペルー料理と地元のビールを腹いっぱい食べ幸せな日々を過ごしていると、あっという間に旅の最終日を迎えました。帰りの飛行機までの時間があったので、宿のソファーでくつろいでいました。
そのときです。アイツがやってきたのは。
膝がとんでもないことに
右足の膝に違和感を覚えました。その後、立ち上がったり、歩いたりすると、それが徐々に痛みに変わり、一時間もしないうちに、右膝が見る見る腫れてきて、膝をちょっと動かしただけで激痛が走るようになりました。
なんかしたっけかな? マチュピチュの石垣で膝打ったっけか? ワイナピチュの登山道で膝を捻ったかな?
いくら考えても「痛み」と「腫れ」の原因が思い出せません。
そしてすぐに、痛みで右膝がほとんど曲げられない状態になりました。
宿の主人に痛み止めの湿布をもらいましたが、数時間経っても全く痛みが和らぎません。
そのうち、飛行機にチェックインする時間になり、宿の主人に手配してもらったタクシーで空港まで、足を引き摺りながら何とかたどり着きました。
ここからが地獄です。
重いバックパックを載せたカートを杖代わりにカウンターまで行き、なんとかチェックイン、空港のセキュリティーチェック、出国審査、痛みをこらえながら移動し、ようやく搭乗することができました。
飛行機に乗っても、膝の痛みがどんどん増してきます。集中できず、寝られず。明け方、ようやく経由地のアメリカのヒューストンの空港へ到着。
そこからまた乗り継ぎで空港内を移動。
痛みに耐えられず、乗用カートにヘルプ求め乗せてもらいました。乗用カートがこれほどありがたかったことはありません。心から感謝の気持ちで、ドライバーにチップを渡しました。
搭乗口側の待合所でじっと待っていても、痛みが続きます。
近くに売店を見つけたので、鎮痛剤を探したら「Tylenol(タイレノール)」という薬を見つけ、「painkiller」と書いてあったので、迷わず購入し口にしました。
待合所に戻り、激痛に耐えていると搭乗口の係員に心配され、事情を話すと、優先的に飛行機に案内してもらえました。その気遣いには感謝でした。
ようやく、シートにすわり成田に向けテイクオフ。
フライト中も、鎮痛剤を何度か口にしました。多少痛みが抑えられたような気がしましたが、消えることはなく、機内食も睡眠も集中してとれず、かなり苦しみました。「痛い~」と叫びたいのを歯を食いしばって数時間我慢していると、ようやく成田空港に到着しました。
空港には会社の先輩が車で迎えに来ていてくれました。(出発前に話しをしていたので)これはありがたかったです。
私が痛がっているのを先輩は不思議そうに見ていましたが。私もなんでこんな痛みがあるのか、まだ全く見当がつかず説明できません。そんなこんなで、やっと自宅に着きました。
その後も右膝の「痛み」と「腫れ」は続きました。
そうだ病院、行こう。
次の日、近くの整形外科に診察にいきました。
膝のレントゲンをとったのですが骨には異常が見つかりません。血液検査の結果をみたところで、医者はようやく何かに気づきました。それは、
尿酸値「10mg/dl」オーバー!
(基準値は7.0mg/ml以下らしい)
診断は「高尿酸血症」
「『通風』の痛みの可能性はあるね。」
医者は、足の指に全く痛みがないのを不思議がってましたが、膝に痛みがでる通風もあるとのことです。(ただ、リウマチなどでも同じような症状がでるとのこと)
その後、消炎鎮痛剤「ロキソニン」を処方してもらい、家に帰ってきました。
夏休みが終わってもしばらく痛みが続き、会社に行くのが大変でしたが、痛み止めを毎日のんだことで、徐々に右膝の「腫れ」と「痛み」は引き、間接の稼動範囲も大きくなり、その後一週間程で元の状態に戻りました。
なぜそうなったか振り返ってみた
ということで、「通風」の痛みは何の前触れもなく突然やってきて、体の特定の間接が腫れて痛み、動かせる範囲も狭くなります。
通風の語源が、「風に強弱があるように痛みの強弱がある」とか、「風が吹いただけでも痛い」といわれているように、
その名のとおりの耐え難い「激痛」です。
通風の痛みの原因は、プリン体を含む食品を接種すると血液中の尿酸値が高くなり尿酸の結晶が間接に付着し炎症を起こすこと。
医者から通風の予防に関するパンフレットをもらいました。
そこには、
「肉食は尿酸を増やし、海産物も尿酸を少し増やします」「アルコール飲料を飲むと尿酸値は一時的に上がります・・・尿酸の素になるプリン体は、ビールに最も多く含まれ・・・」
うわ~
肉×ビール×摂り過ぎ ⇒ 「通風」
ここでようやく、ペルーで自分がしていた振る舞いと右膝の痛みとが結びつきました。
日本にいても普段から不摂生だというのに、外国に来てさらに暴飲暴食。これがあの「激痛」の引き金を引いたのは間違いないでしょう。
後で調べたのですが、空港で買った「タイレノール」の成分はアセトアミノフェン、医師に処方してもらった「ロキソニン」の成分はロキソプロフェンナトリウム水和物。どちらも解熱鎮痛に用いられていますが、アセトアミノフェンのほうが抗炎症作用が弱いらしいです。しっかりと原因を調べてから、適切な薬を使うことが大事ですね。
それからどうなった
それ以降も、尿酸値が高い状態が続き、膝と肘の痛みの発作が数回あったことから、やむ終えず、尿酸を下げるための投薬治療を開始しました。
「ベンズフロマロン錠50mg」という薬を毎日1錠飲んでいます。
おかげさまで今では、尿酸値は、基準値の7.0mg/ml以下にコントロールできているので、あの激痛の心配はなくなりました。
(飲み食いの量と質を自分の意思でコントロールするのはなかなか難しい~)
サラリーマンを卒業しても、あんな耐え難い激痛がしょっちゅう起こっていたら、その後の人生楽しめないなと思います。